134 社頭雪 今上天皇(第百二十四代)

社頭雪

ふるゆきにこころきよめてやすらけきをこそいのれかみのひろまへ。

【字句謹解】◯ふる雪に 雪の降つてゐるうちにの義であるが、ここでは降り止んだのちとしても差支ないやうに思はれる ◯こころきよめて 潔白な雪に心のにごりをあらひきよめること ◯安らけき世 平和がつづく世の中 ◯神のひろまへ かみ御前みまえと同じ。神前しんぜんのこと。

〔注意〕本御製ほんぎょせいは昭和六年度の御題ぎょだい社頭雪しゃとうのゆき」につて、世の和平をかみいのられる大御心おおみこころえいぜられたのである。

【大意謹述】降りつもつた潔白な雪によつて心をすつかり洗ひ、きよらかな氣分きぶんとなり、かみ御前みまえに平和な世のつづかんことを、何よりもきにちんいのり申すのである。

【備考】今上きんじょう陛下が、敬神けいしん愛民あいみん御精神ごせいしんませたまふことは、この御製ぎょせいの上に明白に表示されてゐる。神道しんどうでは、外淸淨がいせいじょう內淸淨ないせいじょうといふことをくが、ここには潔白な雪の如く、心をきよめて、かみの前に起ちたまひ、第一に國民こくみんの生活安定といふことをいのらせたもうたのである。かみも陛下の御思召おぼしめしに必ず反應はんのうし共鳴せられたであらう。