133 海邊巖 今上天皇(第百二十四代)

海邊巖

いそざきにたゆまずよするあらなみしのぐいはほのちからをぞおもふ。

【字句謹解】◯いそ崎 海岸線にそうての場所より突出した部分をいふ ◯たゆまず 常にはげみつづける形容 ◯よする 打ち寄せること ◯あら波 荒い激しい波の意 ◯凌ぐいはほ 荒波あらなみに打ち勝つて平然としてゐる巖石がんせき ◯力をぞおもふ その巖石がんせきの偉大な力をうらやましいものとして想像する。

【大意謹述】濱邊はまべに突出した部分に常に力いつぱい打ち寄せ、しぶきを立てる荒波に打ち勝つて平然と盤踞ばんきょする大岩おおいわが見える。ちんはこの大岩石だいがんせきの底知れない力をうらやましいものと思ふ。

【備考】「海邊巖うみべのいわお」といふ新春御題ぎょだいえいぜられたのが本御製ほんぎょせいである。力づよい御表現と壯大そうだいな御內容とは、陛下の御氣象ごきしょうに似つかはしくはいせられる。