132 田家朝 今上天皇(第百二十四代)

田家朝

みやこいでてとほくぬればきわたる朝風あさかぜきよし小田お だのなかみち

【字句謹解】◯都いでて 帝都ていとをはなれて ◯とほく來ぬれば 遠く地方にてみるとの意 ◯吹きわたる 諸方を一ように吹くこと ◯朝風きよし 朝の風が少しもにごりなく、そのうちに立つ人に淸々せいせいとした感をあたへる意 ◯小田のなか道 小田お だは田の意。田畠たはたで四方が滿ちてゐる、その間の道。

〔注意〕本御製ほんぎょせいは「田家朝でんかのあさ」との御題ぎょだいもとえいぜられた昭和四年の御作おんさくで、自然のうちにすつかりり切つた心持こころもちを示された敍景詩じょけいしである。

【大意謹述】帝都ていとをはなれて遠くてみると、田園の間の小路こみちを吹き渡る朝の風が少しもにごりなく、人々にすがすがしい氣持きもちあたへ、しずかな平和な自然の味を滿喫まんきつさせる。