64 西京・神戸間鐵道開業式ニ臨幸百官ニ賜ヘル勅語 明治天皇(第百二十二代)

西京さいきょう神戸こうべかん鐵道てつどう開業式かいぎょうしき臨幸りんこうかんたまヘル勅語ちょくご(明治十年二月五日)

【謹譯】西京さいきょう神戸こうべかん鐵道てつどうこうおわルヲク。ちん親臨しんりんシテ開業かいぎょうてんおこなフ。なんじかん拮据きっきょ經營けいえい工事こうじ完成かんせいシ、衆庶しゅうしょとも慶祝けいしゅくスルコトヲル。ちんふかこれ嘉尙かしょうス。

【字句謹解】◯西京神戸間ノ鐵道 京濱けいひん鐵道てつどうが完成すると我がくに經濟けいざい中心地たる神戸こうべ・大阪・京都にこれ敷設ふせつするのが起り、明治三年早くも阪神はんしん間の土地實測じっそくを始め、十年二月に至つて京都神戸こうべ間に鐵道てつどうが全通した。その開業式にあたつて天皇親臨しんりんあおたてまつつたので、當日とうじつ本勅ほんちょく以下〔注意〕にげる諸詔しょしょうが下された ◯開業ノ典 開業式のこと ◯拮据經營 いそがしく働いて事業を進行させる意 ◯衆庶 一般の人々 ◯慶祝 よろこびいわふ。

〔注意〕本勅ほんちょくと同時に下し給うたものにはみことのりがある。

(一)西京さいきょう神戸こうべ鐵道てつどう開業式ニ臨幸りんこう工部こうぶ諸官員しょかんいんニ下シ給ヘル勅語ちょくご(明治十年二月五日)

(二)同シ時大阪府知事京都府知事・兵庫縣令けんれいニ下シ給ヘル勅語(明治十年二月五日)

(三)同シ時やとい外國人がいこくじんニ下シ給ヘル勅語(明治十年二月五日)

(四)同シ時居留いりゅう外國人ニ下シ給ヘル勅語(明治十年二月五日)

はいせられ、なほ、本篇中に謹述きんじゅつしたちょくがある。

(五)東京・横濱よこはま鐵道てつどう開業式ニ親臨しんりんかんニ下シ給ヘル勅語(明治五年九月十二日、太政官日誌)

【大意謹述】京都神戸こうべ鐵道てつどう敷設ふせきの工事が完成したとの報告を受けた。ちんはここに親しくその場に臨んで開業式を行ふこととなつた。汝等なんじら官吏かんり一同が忙しく働いて事を進め、この大工事を完成して、國民こくみん一同と共によろこびいわふことが出來たに就いて、朕は深くこれを滿足まんぞくに思ふ。