13 封戸及び官吏任用に關するの勅 天武天皇(第四十代)

封戸ふ こおよ官吏かんり任用にんようかんするのみことのり(五年四月 日本書紀

諸王諸臣被給封戸之稅者、除以西國、相易給以東國。又外國人欲進仕者、臣連伴造之子、及國造子聽之。唯雖以下庶人、其才能長亦聽之。

【謹譯】諸王しょおう諸臣しょしんたまはる封戸ふ こぜいは、以西にしのかたくにのぞき、あいへて以東ひがしのかたくにたまへ。また外國人とつくにのひと進士しんしほっするものは、おみむらじ伴造とものみやつこおよ國造くにのみやつこをばゆるせ。ただ以下い か庶人しょにんいえども、才能さいのうちょうぜるものをばまたゆるせ。

【字句謹解】◯封戸の稅 封戸ふ こは、古昔むかし親王しんのう以下諸臣しょしん位階いかい官職かんしょく勳功くんこうおうじてたまわつた民戸みんこしょうぜいはそれからおさめるぜいを意味する。これは最初は二分してその半分をかみに、の半分を所有主にたまはつたが、『日本紀しょくにほんぎ天平てんぴょう十一年五月には、すべて所有者にたまふとのみことのりくだされてゐる ◯以西の國 京師けいし以西いせいの國のこと ◯外國人 畿內きないのほかの地方に住む者の意で、現在いふ外國人がいこくじんではない。

【大意謹述】諸王しょおう及び諸臣しょしんたまはつた民戸みんこからのぜいは、現在まで京師けいし以西いせいの國々から取つてゐたが、今囘こんかい、これをとどめ、その代り東國とうごくからとることにする。したがつて今後封戸ふ こたまふ場合も東國とうごくを主とする。又、畿內きない以外の者で仕官しかんを望んだ時には、おみむらじ伴造とものみやつこの子及び國造くにのみやつこの子に限つてこれをゆるす。ただしそれ以下の一般民でも、特に才能のてんより優れてゐる者ならば、同じやうに仕官しかんさせるであらう。