大日本詔勅謹解5 政治經濟篇 例言

例言

一、本篇ほんぺん謹載きんさい詔勅しょうちょくおおむね特に史的してき事實じじつを背景としてゐるので、その事を知得ちとくする必要がおおいにある。このてんは、特に〔註 〕及び【備考】の欄內らんないで、成るべく要領よく說明せつめいして置いたが、いたらぬところは寛恕かんじょひたい。

一、大化たいか革新かくしんについての詔勅しょうちょくは、相當そうとうにあるが、建武けんぶ中興ちゅうこうについては、ほとんどこれをはいすることが出來ぬ。いかにも遺憾いかんではあるが、むをぬ。

一、日本にっぽん政治史及び經濟けいざい史上、江戸時代は最も重要な時期であり、鎌倉・室町時代これぐのであるが、當時とうじ武家專制せんせいの世の中のために、歷代れきだい天皇の政治・經濟けいざい上の御思召おんおぼしめしほとんはいすることが出來ぬのは最も殘念ざんねんばんである。が、これ又むをぬ事と諒承りょうしょうありたい。

一、慶應けいおう三年十月に明治天皇さつちょうげいぱんに下された討幕とうばく密勅みっちょくは有名であるが、普通、詔勅しょうちょく集に謹載きんさいせられてをらぬので、本書においてもまたこれ拜載はいさいしなかつた。