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62 栃木縣招魂場弔祭ノ勅語 明治天皇(第百二十二代)

栃木縣とちぎけん招魂場しょうこんじょう弔祭ちょうさい勅語ちょくご(明治九年六月 歷朝詔勅錄)

【謹譯】汝等なんじらさき兇賊きょうぞく鴟張しちょうさいあたリ、めい大義たいぎいたシ、あるいかばね亂軍らんぐんうちさらス。ちんいま東巡とうじゅんついでしたし其地そのちこと追悼ついとうヘス。よっ縣官けんかんヲシテ汝等なんじらはかちょうシ、いささか金幣きんぺいたまフ。

【字句謹解】◯招魂場 忠勇ちゅうゆうを祭つた場所 ◯兇賊 官軍かんぐんに手向つた賊軍ぞくぐん ◯鵄張 ふくろふの翼を張るやうに手におへないこと。すなわ猛威もういたくましうする意、〔註一〕參照 ◯大義 臣子しんしぶんを守つて、大君おおぎみちゅうつく筋道すじみち ◯亂軍 敵味方入りみだれて夢中にたたか有樣ありさ ◯東巡 東北地方へ行幸ぎょうこう ◯追悼 想ひ出していたたまふ ◯縣官 縣廳けんちょうの役人。

〔註一〕鴟張 幕軍ばくぐんの一隊が大鳥おおとり圭介けいすけ首領しゅりょうし、宇都宮城うつのみやじょうつてはげしく官軍かんぐんに抵抗したとき、官軍かんぐんゆうふるおおいに戰つたが、最初は形勢不利で、多くの犠牲者を出したほどだつた。が、隊長河田かわだ佐久間さ く まの二人にはげまされ、ひしひしと城に迫り、到頭とうとう幕軍をして城を捨てて、日光へ落ちのびるに至らしめたのである。

【大意謹述】ちん今、汝等なんじら忠勇ちゅうゆうに告げる。汝等なんじらきに賊軍ぞくぐん皇軍こうぐんに反抗して、ふくろうの翼をひろげし如く、手におへない猛威もういたくましうした時、臣子しんしぶんわきまへて、これじゅんじ、時には、奮鬪ふんとう中、敵味方入りみだれてはげしくふ場所に、無殘むざんにもかばねさらしたものさへある。ちん今、東北地方をめぐる途中、したしく汝等なんじら忠義ちゅうぎのため戰つた地方を通過して、感慨かんがいおさがたい。よっここ縣廳けんちょうの役人をして、汝等なんじらの墓前に參詣さんけいせしめて弔意ちょういひょうせしめると同時にいささ金幣きんぺい下賜か しする。