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61 招魂社大祭の宣命 明治天皇(第百二十二代)

招魂社しょうこんしゃ大祭たいさい宣命せんみょう(明治五年九月 陸軍省日誌)

天皇大命。此招魂社萬都禮留諸靈式部寮六等出仕、正四位戸田忠至使白給波久止佐久。前年戰場爾志氐大功萬代萬氐爾波牟止、年每此月今日永例武官人等世氐、種種物等備奉齋祭良世。此狀聞⻝天皇大御代事無夜久事無常石堅石守幸波倍倍止天皇大命甘良聞⻝世止

【謹譯】天皇すめら大命おおみことにませ。招魂社しょうこんしゃしずめまつれるもろもろみたままえ式部寮しきぶりょうとう出仕しゅっししょう戸田と だ忠至ただゆき使つかいして白給もうしたまはくともうさく。前年さきつとし戰場いくさのにわにして大功たいこうてしこと萬代よろずよまでにつたたまはんとして、年每としごとつき今日きょうまつりながためし武官ぶかんひとらにおおせて、種種くさぐさものなどをそなまつり、いつまつらせたまふ。さま聞⻝きこしめして、天皇すめら大御代おおみようごことなく、さやぐことなく、常石ときわ堅石かきわまもさきはへたまへと天皇すめら大命みこと甘良つばら聞⻝きこしめせともうす。

【字句謹解】◯招魂社 今日こんにち靖國やすくに神社じんじゃ、九だん坂上さかうえにある ◯鎭め 安置する事 ◯大功 立派な手柄 ◯萬代 いつ迄も長く ◯さやぐことなく ざはつく事なく ◯甘良 委曲いきょくの意。

【大意謹述】天皇勅令ちょくれいにより、この招魂社しょうこんしゃに安置しまゐらせてゐるもろもろみたまの前に、式部寮しきぶりょうとう出仕しゅっししょう戸田と だ忠至ただゆき使つかいとして申上もうしあげる。前年、戰場で大功たいこうてた人々の美しくとうとい働きを長く萬世ばんせい後迄のちまでつたへるやうにと、陛下の思召おぼしめしにより、每年まいねんこの月、この日に祭祀さいしし、之を永き例とせられる。それについて、武官ぶかんらに命じ、種々しゅじゅ幣物へいもつもろもろみたまけんじ、きよめ祭られる次第である。諸靈しょれいは、陛下の思召おぼしめしたいし、この大御代おおみよを固く守られるやう、勅令ちょくれいほうじてつつしんで申上もうしあげる。こころよく受けれられよ。