60 薩摩國寉ヶ峰招魂場弔祭ノ勅語 明治天皇(第百二十二代)

薩摩國さつまのくに寉ヶ峰つるがみね招魂場しょうこんじょう弔祭ちょうさい勅語ちょくご(明治五年六月)

【謹譯】汝等なんじらさき乾綱けんこう不振ふしん皇威こうい不宣ふせんうれヒ、竭力けつりょく盡忠じんちゅう國家こっかメニいたス。ちんいま西巡せいじゅん追感ついかんことふかシ。よっ侍從じじゅう番長ばんちょうしょう醍醐だいご忠順ただゆきつかわシ、汝等なんじらはかちょうシ、かつ金幣きんぺいたまフ。せんス。

【字句謹解】◯寉ヶ峰 寉山つるやま城趾じょうしの南方、照國てるくに神社じんじゃかたわらにある ◯乾綱 天皇大權たいけん ◯不宣 びない事 ◯竭力 力をつくす事 ◯盡忠 もっぱ忠義ちゅうぎに心を注ぐ事 ◯西巡 九州をめぐる。東京からは西部地方にあたるので西巡せいじゅんおおせられた ◯追感 追想ついそうして深い感慨かんがいもよほす。

【大意謹述】汝等なんじら忠勇ちゅうゆうに告ぐ。汝等はきに天皇威權いけんの伸びず振はざる事を心痛して、皇政こうせい復古ふっこのために懸命に力をつくし、そのため、全身を捧げて大義たいぎじゅんじたものが少くない。ちん今日こんにち、西のかた、九州地方をめぐつた時にあたり、當年とうねんに於ける汝等の忠義をおもひ、深い感慨かんがいに打たれた。よっ侍從じじゅう番長ばんちょうしょう醍醐だいご忠順ただゆきして、汝等の墓に參詣さんけいせしめて弔意ちょういひょうせしめ、金幣きんぺい下賜か しする。以上のむねつたへる。