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52-2 石淸水社に內憂外患祈禱の宣命 孝明天皇(第百二十一代)

石淸水社いわしみずしゃ內憂ないゆう外患がいかん祈禱きとう宣命せんみょう(第二段)(元治元年九月 孝明天皇紀)

如此禍攘除古止者、人力所不及奈利、掛畏大菩薩、早神威拂退銷滅給、天下安國平給治給仰祈伏禱給。故是以、吉日良辰擇定、官位姓名差使、金銀御幣令捧持奉出給

【謹譯】かくごとわざわいはらのぞくことは、人力じんりょくおよばざるところなり。けまくもかしこ大菩薩だいぼさつはや神威しんいほどこしてはら退ほろぼたまひ、天下あめがした安國やすくにたいらげたまおさたまはむことあおぎていのり、していのたまふ。ここもって、吉日きちにち良辰りょうしんえらさだめて、官位かんい姓名せいめい使つかはして、金銀きんぎん御幣みてぐら捧持ほうじせしめていだまつたまふ。

【字句謹解】◯人力の及ばざる所なり 人間の力では不可能なことにぞくする ◯仰ぎて祈り 天に向つては天神あまつかみいのる ◯伏して禱り 地にしては地祇くにつかみいのる ◯官位姓名 某官ぼうかんに奉仕するぼうといふ名が入るところである。

【大意謹述】く一勃發ぼっぱつした內憂ないゆう外患がいかんを一そうすることは、人力じんりょくでは如何い かに懸命となつても不可能である。平生へいぜい尊信そんしんする石淸水いわしみず八幡はちまん大菩薩だいぼさつには、一刻も早く、その威力をあらはされ、全部、これらを跡方あとかたなくはらほろぼたまひ、何事もない太平な御世み よとして、無事に日本が治つてゆくやう、天に向つてはあまかみいのり、地にしてはくにかみいのたてまつる。このゆえに、最上の吉日きちにち卜定ぼくていして、奉幣使ほうへいしを派遣し、金銀の御幣帛ごへいはくを捧げたてまつり、御願おねがいすることになつた。