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24-6 陸奥國より黄金を出せる時下し給へる宣命 聖武天皇(第四十五代)

陸奥むつのくにより黄金こがねいだせるときくだたまへる宣命せんみょう(第六段)(天平勝寶元年四月 續日本紀

又、天日嗣高御座坐事、進弖波挂畏天皇大御名受賜、退波婆婆大御祖御名弖之食國天下乎婆撫賜惠夫止奈母、神奈我良念坐。是以王多知大臣子等治賜伊自天皇仕奉、婆婆仕奉爾波可在。

【謹譯】また天日嗣あまつひつぎ高御座たかみくらわざおわことは、すすみてはけまくもかしこ天皇すめら大御名おおみなをうけたまはり、退しりぞきては婆婆は は大御祖おおみおや御名おおみなこうむりてし、食國おすくにあめしたをばでたまひめぐみたまふとなも、かんながらおもほします。ここもっおおきみたち大臣おおおみ子等こどもおさめたまふいし、天皇すめらみかどつかへまつり婆婆は はつかへまつるにはあるべし。

【字句謹解】◯大御名 天下を治め給ふ御名おんなのこと ◯婆婆大御祖の御名 はは大御祖おおみおやとは藤原不比等ふじわらのふひとじょ宮子みやこを指すので、宮子みやこ文武もんむ天皇の夫人であつて、聖武しょうむ天皇御生母ごせいぼ光明こうみょう皇后こうごう御姉おんあねあたられた。ゆえ外戚がいせきの藤原一門の執權しっけんとしての地位をはずかしめないやうにされることを意味する ◯治めたまふいし いしは所謂いわゆることばで意味はない、治めるは特別の便宜べんぎをはからふこと。

【大意謹述】又ここ天皇思召おぼしめしを告げる。天皇天照大御神あまてらすおおみかみの御血統として、進んで口のはしに掛けるもおそれ多いことながら天下の統治けん繼承けいしょうし、退いては御母君おんははぎみの生家、藤原氏御名おんなも受けて天下を愛撫あいぶし、萬民ばんみん恩惠おんけいほどこさうと叡慮えいりょなされてゐる。ゆえに諸王及び大臣だいじんたちの子などに特別の便宜べんぎをはからふのは、天皇としての地位にふさはしく、御母君おんははぎみほうぜらるる一方法となるであらう。