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14-2 數寺を併兼して一區に合成するの詔 元正天皇(第四十四代)

數寺すうじ併兼へいけんして一合成ごうせいするのみことのり(第二段)(寶龜二年五月 續日本紀

今故併兼數寺、合成一區。庶幾同力共造、更興頽法。諸國司等、宜明告國師衆僧及檀越等、條錄郡內寺家、可合竝財物、附使奏聞。

【謹譯】いまゆえ數寺すうじ併兼へいけんし、がっして一となす。庶幾ね がはくはちからおなじうしてともつくり、さら頽法たいほうおこせ。しょ國司こくしよろしくあきらかに國師こくし衆僧しゅうそうおよ檀越だんのちなどにげ、郡內ぐんない寺家じ け條錄じょうろくし、財物ざつぶつ合竝がっぺいし、使つかいして奏聞そうもんすべし。

【字句謹解】◯數寺を併兼し 五六の寺院を一にがっすること。これは養老ようろう五年五月・天平てんぴょう七年六月に行はれたよしが見える ◯國師 我が奈良朝ならちょう時代の僧侶そうりょの職名で、諸國に分置ぶんちしての國の僧尼そうにを監督し、經典きょうてん講究こうきゅうして、國家の祈禱きとうを行つた者 ◯檀越 財物ざいぶつ施與せ よする信者をそうから呼ぶことば檀那だんな又は旦那だんなと同じ ◯條錄 のこらず記錄きろくする意 ◯奏聞 天皇にまで申し上げる。

【大意謹述】以上の弊害へいがいを防ぐ方法として、ちんはここに數寺すうじを合併して一區域くいきを作り、各區域くいき中に一寺院を造ることを命ずる。各僧侶そうりょは各區域內くいきないで共に力をあわせて之を造り、衰へてゐる佛法ぶっぽうを復興したいものである。諸國の國司こくしなどは、この命をほうじ、各自が最も便利な手段で、このよし明瞭めいりょう國師こくし僧侶そうりょ・信者の代表者などに告げ、その地方の寺々を一々記錄きろくしてのこすことなく、財產ざいさんすべて合計して、早速使者の手にり朝廷まで申しでるがよい。