4-3 磐鹿六鴈の靈に告げ給へる宣命 景行天皇(第十二代)

磐鹿いわか六鴈むつかりみたまたまへる宣命せんみょう(第三段)(高橋氏文

此志太比天、吉膳職護守利太比天、家患事等志女太戸度奈毛思⻝太麻不天皇大御命良麻乎、虛御魂太戸止太麻不

【謹譯】こころざしりたびて、膳職かしわでのつかさうちそと護守ま もりたびて、みやうれへのこともなくらしめたまひたべとなも思⻝おぼしめすとりたまふ天皇すめら大御命おおみことらまを、そら御魂みたまきたべともうすとりたまふ。

【字句謹解】◯此の志 天皇六鴈命むつかりのみことの子孫を特に優遇される御志おこころざし ◯知りたびて 知りたまひての略、六鴈命むつかりのみことれいがそれを知つての意 ◯ 朝廷のこと、かみとなつた六鴈命むつかりのみことは、これ程の偉力いりょくを持つと信ぜられてゐた ◯虛つ御魂 虛空こくうにある六鴈命むつかりのみこと靈魂れいこんのこと。

【大意謹述】六鴈命むつかりのみことれいよ、天皇がこれ程なんじの子孫を優待される御志おこころざしをよく了解して、十分に調理職の內外うちそとを守護し、朝廷にも何等なんらの心配が起らないやう心すべきことをおおせられた。みぎ天皇大命たいめいを、ここに確かに天上てんじょうにある六鴈命むつかりのみこと靈魂れいこんも親しく聞かれるやう、改めて告げる。