読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

4-2 磐鹿六鴈の靈に告げ給へる宣命 景行天皇(第十二代)

大日本詔勅謹解4 神祇佛敎篇

磐鹿いわか六鴈むつかりみたまたまへる宣命せんみょう(第二段)(高橋氏文

是以六鴈命御魂膳職伊波比奉、春秋永世神財仕奉志迷牟。子孫等乎波長世膳職止毛、上總國止毛、淡國止毛、餘氏萬介太麻波天乎佐女太麻波牟。若膳臣等不繼在、朕王子等乎志天、他氏人等相交天波良志女之。和加佐六鴈命、永子孫等遠也國家天支。此事世々爾之傍志

【謹譯】ここもっ六鴈命むつかりのみこと御魂みたま膳職かしわでのつかさにいはひまつりて、春秋はるあきなが神財かむたからつかまつらしめむ。子孫うみのこをばなが膳職かしわでのつかさおさとも、上總國かづさのくにおさとも、安房あわのくにおさともさだめて、ほかうじけたまはでおさめたまはむ。膳臣等かしわでのおみたちつぎらざらむには、王子み こたちをして、他氏あだしうじ人等ひとどもあいまじへてはみだらしめじ。若狹わかさくに六鴈命むつかりのみことに、なが子孫うみのことお國家くにいえとせよとさだめてさずけたまひてき。こと世々よ よにしあやまたがはじ。

【字句謹解】◯御魂 靈魂れいこんのこと、〔註一〕參照 ◯膳職 天皇御調理方ごちょうりかた ◯春秋の永き世 春秋しゅんじゅう年月としつきのことで、永き世の冠辭かんじと見てもよく、春と秋とに神事しんじが行はれたからかう言つたと考へてもよい ◯神財 神社じんじゃ神寶しんぽう ◯ 子孫の意 ◯國家 領地といふ程の意。

〔註一〕六鴈命の卒去せし時 高橋たかはし氏文うじぶみしたがへば、六鴈命むつかりのみことは七十二歳で卒去そっきょした。天皇はこの上もなく悲しまれ、萬事ばんじ親王しんのう禮遇れいぐうじゅんじてほうむられたので、宣命使せんみょうし藤河別命ふじかわわけのみこと武男心命たけおごころのみことなどが任命された。

【大意謹述】以上の功勞こうろうを記念するため、六鴈命むつかりのみこと靈魂れいこん神寶しんぽうとして宮內省くないしょうの調理職に命じ、春秋しゅんじゅうまつらせ、その子孫を末長く調理職長官に任じ、上總かづさ及び安房あわのくにおさとし、ほかうじの者は一切この方面に任命しないことにした。しその子孫に世繼よつぎの者がない場合は、ちん皇子おうじ及びその血統のものを以てがせ、決して他氏た しを交へてみだすやうなことはしない。更に若狹わかさの國は、天皇六鴈命むつかりのみことに、なんじの子孫に於て長く之をりょうせよと定め授けられたもので、何時い つの世にもこれにたがはないことを今ここに神前しんぜん誓言せいげんする。