読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

67-3 世界大戰ニ就テ平和克復ノ大詔 大正天皇(第百二十三代)

世界せかい大戰たいせんつい平和へいわ克復こくふく大詔たいしょう(第三段)(大正九年一月十日 官報

【謹譯】いま世運せうんてんシ、時局じきょくおおいへんス。よろシク奮勵ふんれい自彊じきょう隨時ずいじ順應じゅんおうみちこうスヘキノときナリ。なんじ臣民しんみんふかこれかえりミ、すすミテハ萬國ばんこく公是こうぜしたがヒ、世界せかい大經たいけいリ、聯盟れんめい平和へいわじつケムコトヲおもヒ、退しりぞイテハ重厚じゅうこう堅實けんじむねトシ、浮華ふ か驕奢きょうしゃいましメ、國力こくりょく培養ばいようシテ、時世じせい進運しんうんともなハムコトニつとメサルヘカラス。

【字句謹解】◯世運一展シ 世の中の樣子ようす變化へんかすること ◯時局 時の內政外交狀態じょうたい ◯丕ニ變ス おおいだいと同じ、戰局せんきょくが終つて平和となつたのでこの御詞みことばがあつた ◯自彊 自分からおおいに努めて懸命になる意 ◯隨時順應ノ道 時勢じせいおもむところを察してそれに合致する方法を考へる ◯秋ナリ ときは時と同じ ◯之ニ省ミ 現時の世運せうんをよく考察する ◯萬國ノ公是ニ循ヒ 各國が全部正しいとしたものに異議い ぎはさむことなく ◯世界ノ大經ニ仗リ 全世界がすべて認める正しい道にしたがふこと ◯重厚堅實 重々しい態度で萬事ばんじ著實ちゃくじつな道を歩むこと ◯浮華驕奢 輕々かるがるしく、生活におごること、すべて前者の反對はんたいを意味する ◯國力ヲ培養シテ 一國の實力じつりょくを育て養つて大きくする ◯時世ノ進運 時代が進んでく姿。

【大意謹述】今や古今に類例を見ない程の大戰亂だいせんらんが終つた時にあたり、世の中の樣子ようすが一ぺんし、內政外交上の狀態じょうたいおおい變化へんかした。この時こそ各自がふるはげつ努力して、時勢じせいおもむく所を察し、その新風潮に、適應てきおうして進む方針を考へねばならぬ。我が國民は、深くこのてんに注目し、進んで外國にたいしては各國で決定した正義に賛同し、世界が認めた正しい道にしたがふべきである。すなわ國際こくさい聯盟れんめいを通じて世界平和の實現じつげんに努め、退いて國內では愼重しんちょうな態度のもと萬事ばんじ著實ちゃくじつむねとし、輕々かるがるしく生活に見榮み えを張ることをいましめたい。かうして我國わがくに實力じつりょくを養つて、常に時代の進みゆく姿と歩みを共にすることに力を致すことが肝要である。