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66 在郷軍人ニ賜ハリタル勅語 大正天皇(第百二十三代)

大日本詔勅謹解3 軍事外交篇

在郷ざいごう軍人ぐんじんたまハリタル勅語ちょくご(大正三年十一月三日 官報

【謹譯】ちんおもフニ國防こくぼう完備かんびなんじ在郷ざいごう軍人ぐんじんツモノまことおおシ。汝等なんじら戮力りくりょく協心きょうしん陸海りくかいシテ、益々ますます軍人ぐんじん精神せいしん鍛錬たんれん軍事ぐんじ能力のうりょく增進ぞうしんシ、きょうリテハ忠良ちゅうりょうナル臣民しんみんリ。ぐんしたがヒテハ國家こっか干城かんじょうリ、もっ本分ほんぶんつくサムコトヲセヨ。

【字句謹解】◯國防 國を守ること ◯完備 完全にそなはる ◯待ツ たよりにする ◯洵ニ多シ じつに多い ◯戮力協心 力を合せ心を一にする ◯陸海一致 陸軍と海軍とが力を合せて一つ心になること ◯軍人精神 軍人の誰もが持つてゐる精神せいしんのことで、明治十五年に軍人にたまはつた勅諭ちょくゆ中に、軍人の精神せいしんとして忠節ちゅうせつ禮義れい武勇ぶゆう信義しんぎ質素しっその五箇條かじょうげられ、之をくべく一の誠心まごころあることを示されてゐる ◯軍事能力 軍事一般にかんする知識 ◯郷 故郷のこと ◯國家ノ干城 かんは盾、じょう城廓じょうかくで、すなわち國をまもるもののこと。

【大意謹述】思ふにわが國防こくぼうの完成については、汝等なんじら在郷ざいごう軍人に手賴た よるべきことが非常に多い。汝等なんじらはこの目的のもとに力を合はせ、陸海軍が心を一つにして、この上共に五箇條かじょうの軍人精神せいしんを鍛へ上げて軍事一般にかんする知識を進め、故郷に居ては忠義ちゅうぎに厚い臣民しんみんとなり、直接軍籍ぐんせきにあつては國家を保護する干城かんじょうとなり、軍人としての正しい職分をつくすやう心掛けなければならない。

【備考】海陸の交通路以外、無限の大空が立派な交通路となつた今日、國防こくぼうは一方に空軍の充實じゅうじつ、他方に國民全部の責任とまでなつてた。今や第一せんに立つ人々のみの國防でなく、在郷ざいごう軍人・靑年團せいねんだん(男女)も國防に留意せねばならなくなり、最近では更に進んで、全國民の心すべき事となつてゐる昭和八年の帝都防空演習、又は大正十二年の關東かんとう大震災だいしんさいに際しての帝都警備に、どれほどの働きをこれらが致したか周知の事である。本勅ほんちょく在郷ざいごう軍人にたまはつたものとして、我が國防の意義を明確にされたてんで、くれぐれも注意を要する。