読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

63-4 韓國併合ニ付キ下シ給ヘル詔書 明治天皇(第百二十二代)

韓國かんこく併合へいごうくだたまヘル詔書しょうしょ(第四段)(明治四十三年八月二十九日 官報

【謹譯】韓國かんこく皇帝こうてい陛下へいかおよ皇室こうしつ各員かくいん併合へいごうのちいえど相當そうとう優遇ゆうぐうクヘク、民衆みんしゅう直接ちょくせつちん綏撫すいぶもとチテ康福こうふく增進ぞうしんスヘク、產業さんぎょうおよ貿易ぼうえき治平ちへいもと顯著けんちょナル發達はったつルニいたルヘシ。しかシテ東洋とうよう平和へいわこれリテ愈々いよいよ基礎き そ鞏固きょうこニスヘキハ、ちんしんシテうたがハサルところナリ。

【字句謹解】◯皇室各員 皇族の方々の意、前記した〔註一〕の併合へいごう條約じょうやく第三條參照さんしょう ◯優遇 特別な待遇 ◯綏撫ノ下 統治のもとの意、綏撫すいぶ恩惠おんけいれて支配すること ◯康福 幸福こうふくのこと ◯顯著ナル發達 目立つていちじるしい發展はってん

【大意謹述】朝鮮の皇帝陛下及び皇族の方々は、朝鮮が我國わがくに併合へいごうされたのちに至つても條文じょうぶん通りに、その地位に相當そうとうした優遇を受けることが出來、朝鮮の一般國民は今後直接にちんの統治のもとにあつてあらゆる幸福こうふくし進めることが出來る。したがつて國內の諸種しょしゅ產業さんぎょう及び對外たいがい貿易は、平和な御代み よもとに非常に目立つた發展はってんを見るに至るに相違そういない。その上、朕の常に望んでゐる東洋の平和は、この併合へいごうつて益々ますます根本を固めるべきことは、朕が絕對ぜったいに信じて疑はないところである。

【備考】以上は、明治天皇が朝鮮統治についての根本方針を示されたのである。それは、今日こんにち、朝鮮統治の局にあたるものが再三、拜誦はいしょうして、これを始終、心にめいじなければならぬ。現今の朝鮮統治は、果して明治天皇おおせられた如く、理想的に進行してゐるか、どうか。大體だいたい、消極的な意味では、效果こうかそうしてゐるが、積極的な意味ではまだ物足らぬところがないか、どうか。局にあたるものは、深く反省しなければなるまい。そして明治天皇思召おぼしめしを十分に實現じつげんすることを心がけねばならぬ。