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63-3 韓國併合ニ付キ下シ給ヘル詔書 明治天皇(第百二十二代)

大日本詔勅謹解3 軍事外交篇

韓國かんこく併合へいごうくだたまヘル詔書しょうしょ(第三段)(明治四十三年八月二十九日 官報

【謹譯】ちん韓國かんこく皇帝こうてい陛下へいかとも事態じたいかんがミ、韓國かんこくあげ日本にほん帝國ていこく併合へいごうシ、もっ時勢じせい要求ようきゅうおうスルノムヲサルモノアルヲおもヒ、ここ永久えいきゅう韓國かんこく帝國ていこく併合へいごうスルコトトナセリ。

【字句謹解】◯韓國皇帝陛下 合併後明治四十三年八月二十九日の詔書しょうしょによつて昌德宮しょうとくぐう李王拓りおうたく殿下と申し上げた御方おかた ◯此ノ事態ニ鑑ミ 前に述べた朝鮮の獨立どくりつが不可能な事實じじつおもんばかること ◯韓國ヲ擧テ 朝鮮國の全部 ◯併合 我が領土中に合せる意。〔註一〕參照

〔註一〕併合 次に韓國かんこく併合へいごう條約じょうやくの全文を記す。

第一條 韓國皇帝陛下は、韓國全部にかんする一切の統治けんを、完全つ永久に日本國皇帝陛下に讓與じょうよす。

第二條 日本國皇帝陛下は、前條にかかげたる讓與じょうよ受諾じゅだくし、つ全然韓國を日本帝國に併合することを承諾す。

第三條 日本國皇帝陛下は、韓國皇帝陛下・たい皇帝陛下・皇太子殿下、ならび后妃こうひ、及び後裔こうえいをして、各其の地位におうじ、相當そうとうなる尊稱そんしょう威嚴いげん、及び名譽めいよ享有きょうゆうせしめ、つ之を保持するに十分なる歳費さいひを供給すべきことをやくす。

第四條 日本國皇帝陛下は、前條以外韓國皇族、及び後裔こうえいたいし、各相當そうとう名譽めいよ及び待遇を享有きょうゆうせしめ、つ之を維持するに必要なる資金を供給することを約す。

第五條 日本國皇帝陛下は、勳功くんこうある韓人かんじんにして、特に表彰をすを適當てきとうなりと認めたる者にたいし、榮爵えいしゃくを授け、恩金おんきんあたふべし。

第六條 日本國政府は、前記併合の結果として、全然韓國の施政しせい擔任たんにんし、同地に施行しこうする法規を遵守じゅんしゅする韓人かんじん身體しんたい及び財產ざいさんたいし、十分なる保護をあたへ、福利ふくり增進ぞうしんはかるべし。

第七條 日本國政府は、誠意せいい忠實ちゅうじつに新制度を尊重する韓人かんじんにして、相當そうとうの資力ある者を事情の許す限り、韓國に於ける帝國官吏かんりに登用すべし。

第八條 本條約は、日本國皇帝陛下及び韓國皇帝陛下の裁可さいかたるものにして、公布の日より之を施行しこうす。

【大意謹述】ちんは朝鮮皇帝陛下と共にこの現實げんじつ狀態じょうたいを考慮し、結局朝鮮をげて我が日本帝國の領土內に編制することが、時勢に伴ふ各方面の要求におうずるの適切なるべきを信ずる、つてここに永久に朝鮮を我が帝國に合併することに決したのである。

【備考】當時とうじ日韓にっかん併合へいごうのことは、歐米おうべいにおいても、當然とうぜん歸結きけつとして、これにたいし、反對はんたいした强國きょうこくは一つもなかつた。それは、東洋平和の保護者・支持者としての日本が行ふべき當然とうぜんのプログラムだと信じたからである。それに、日本は、外交上、ロシヤの如く、恫渇どうかつを事とせず、支那し なの如く空虛くうきょげんろうせず、始終、諸外國と協調を保ち、穩健おんけんな態度で終始するといふ特色を持つてゐる。この事もまた歐米おうべい列强れっきょうりょうとするところで、朝鮮の治安が確實かくじつに保たらるることは、歐米おうべいに取つても、願はしいとしたところであつたから、日韓にっかん合邦ごうほうは東洋平和の鍵だとして、當然とうぜんの事と見たのである。