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53-2 陸海軍軍人ニ下シ給ヘル勅語 明治天皇(第百二十二代)

陸海軍りくかいぐん軍人ぐんじんくだたまヘル勅語ちょくご(第二段)(明治二十八年五月十三日 官報

【謹譯】爾來じらい治平ちへいゆう餘年よねん客歳かくさい淸國しんこくきんひらクヤ、汝等なんじらちんカ一號令ごうれいもとたちテ、隆暑りゅうしょ祁寒きかんおかシ、うち籌畫ちゅうかく警防けいぼうつとメ、そと進攻しんこう出戰しゅっせんろうシ、りくうみ振古しんこいまラサルノ偉勳いくんそうシ、交戰こうせん目的もくてきたっシテ、帝國ていこく光榮こうえいヲ四ひょう發揚はつようセシメタリ。

【字句謹解】◯爾來 その後、明治十五年以後の意である ◯客歳 去年のこと。この場合は明治二十七年 ◯釁ヲ開ク きんは不和の意、ここでは戰端せんたんを開く ◯朕カ一號令 宣戰せんせんみことのりのこと『宣戰せんせん詔勅しょうちょく』(明治二十七年八月二日、官報)を參照 ◯隆暑ニ耐ヘ 猛烈な暑さを耐へ忍ぶ ◯祁寒ヲ冒シ 非常な寒さを物とも思はないで奮鬪ふんとうする。滿洲まんしゅう地方が極暑ごくしょ極寒ごっかんの大陸的氣候きこう特徵とくちょうを有する事は、今囘こんかい滿洲まんしゅう事變じへんに於ても日本人一般に强く新しく印象された所である ◯籌畫 根本となる戰略せんりゃく ◯警防 敵にたいする防禦ぼうぎょ・警戒 ◯進攻 どしどし進んで敵を攻める ◯振古 大昔、上代じょうだい ◯偉勳 偉大なる功績 ◯交戰ノ目的ヲ達シテ 東洋平和といふ大計畫だいけいかくもとに朝鮮の完全な獨立どくりつを認め、支那し な傍若無人ぼうじゃくぶじんの態度に一げきを加へることが日淸にっしん交戰こうせんの目的であつた ◯帝國ノ光榮 我が日本の光輝こうき名譽めいよ ◯四表 四ほうの意で、世界各國を指す ◯發揚 ひろめあげた。

【大意謹述】明治十五年以後、十ゆう餘年よねんの間は泰平たいへい無事ぶ じつづいたが、去年、淸國しんこくが無法にもわれたいして戰端せんたんを開くと、汝等なんじら軍人はちん開戰かいせん布告ふこくと共に奮起ふんきし、極暑ごくしょを忍び、極寒中ごっかんちゅうたたかひをつづけ、內部に在つては根本の戰略・敵にたいする防禦ぼうぎょ・警戒に努め、外に在つては第一線に立つてよく進みよく攻め、海陸かいりく共に古來こらい未だかつて例を見ない程の大功たいこうを立てた。これにより淸國しんこくとの開戰かいせんの目的たる東洋の平和、朝鮮の獨立どくりつなどを完全に實現じつげんし、我が帝國の光輝こうき名譽めいよとを世界に發揚はつようしたのである。