59-4 戰勝後臣民ニ下シ給ヘル詔勅 明治天皇(第百二十二代)

戰勝後せんしょうご臣民しんみんくだたまヘル詔勅しょうちょく(第四段)(明治二十八年四月二十二日 官報

【謹譯】ちん祖宗そそう威靈いれいルトいえどモ、百りょう臣庶しんしょ忠實ちゅうじつ勇武ゆうぶ精誠せいせい天日てんじつつらぬクニアラサルヨリハ、いずくムソここいたラムヤ。ちんふかなんじ有衆ゆうしゅう忠勇ちゅうゆう精誠せいせい倚信いしんシ、なんじ有衆ゆうしゅう協翼きょうよくリ、治平ちへい囘復かいふくはかリ、國運こくうん進張しんちょう志業しぎょうサムトスルニせつナリ。

【字句謹解】◯威靈 威力ある神靈しんれい ◯臣庶 朝野ちょうや一般の人々、國民全部の意 ◯精誠 いつはりのない心 ◯天日ヲ貫ク 太陽をつき通す。事物が盛んで天にまで達する形容 ◯倚信 信用してたよりにする ◯協翼 力を合はせて輔佐ほ さする ◯切ナリ 深くのぞみをかけてゐる。

【大意謹述】勿論もちろん我が軍の連戰れんせん連勝れんしょうは、ちんの祖先の威力ある神靈しんれいによつてげられたものが多い。ただしそれのみでは決してこれ程の勝利は得られない。百かん及び、國民が忠義ちゅうぎに厚く、勇敢で、いつはりのない心が太陽をも突き通す程盛んでなければ、これほどのき結果は得られないのであつた。朕は汝等なんじら國民の忠義心や、勇敢でいつはりのない心を深く信用し、一刻も早く淸國しんこくとの國交こっこうを平和の昔にかえし、益々ますます國運こくうん發展はってんつくしたい氣持に滿ちてゐる。