46 開成學校開業式ノ時ニ雇敎師ニ下シ給ヘル勅語 明治天皇(第百二十二代)

開成かいせい學校がっこう開業式かいぎょうしきときやとい敎師きょうしくだたまヘル勅語ちょくご(明治六年十月九日)

【謹譯】開成かいせい學校がっこう經營けいえいまさこうフ。ちんいま群僚ぐんりょうひきヰテ、ここ開業かいぎょうてんク。おもフニ本校ほんこう學術がくじゅつ今日こんにち進歩しんぽいたルヲルハ、しょくトシテ汝等なんじら諸敎師しょきょうし努力どりょくル。ちんふかこれミス。ちんなおますます學術がくじゅつ更張こうちょうセンコトヲス。汝等なんじらまたこのたいセヨ。

【字句謹解】◯開成學校 東京帝國ていこく大學だいがくの前身。〔註一〕參照 ◯群僚 群臣ぐんしんの意 ◯開業ノ典 始業式 ◯ 主として ◯更張 盛んにしてひろめる。

〔註一〕開成學校 東京帝國ていこく大學だいがくの前身東京大學(明治十年)は、開成かいせい學校がっこう及び醫學校いがっこうが合併されたものである。開成學校は德川末期に起つた蕃書調所ばんしょちょうじょ起原きげんを持ち、その後、蕃書調所ばんしょちょうじょ洋書調所ようしょちょうじょ開成所かいせいじょ改稱かいしょうされ、併合・分離が行はれて大學南校・第一學區がっく・第一番中學となり、明治六年に至つて再び開成學校と改稱かいしょうされた。この勅語ちょくごは、その當時とうじのものである。

【大意謹述】我國最高の學術研究所である開成かいせい學校がっこうは、諸般しょはんの設備を終り、本日、ちん群臣ぐんしんと共に始業式に臨むこととなつた。かえりみるに本校の學術が現在のやうに進歩したのは、主として汝等なんじら諸敎師の努力が積み重ねられた結果にほかならない。本校の使命を思ふ毎に朕はすこぶ滿足まんぞくの意を表する者である。學術の進歩は際限がないのであるから、朕としては今後益々ますます我國がこの方面に發展はってんするのを切望するので、汝等なんじらも朕の意志にそむかず、以後も心をゆるめないで欲しい。