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44-5 華族ヲ召シ給ヒテ留學及海外周遊ヲ奬勵スルノ勅語 明治天皇(第百二十二代)

華族かぞくたまヒテ留學りゅうがくおよび海外かいがい周遊しゅうゆう奬勵しょうれいスルノ勅語ちょくご(第五段)(明治四年十月二十二日 太政官日誌)

【謹譯】まこと人々ひとびとここ注意ちゅういシ、勤勉きんべんちからいたサハ、開化かいかいきすすミ、富强ふきょうもといしたがつチ、列國れっこく幷馳へいちスルモかたカラサルヘシ。汝等なんじらこのたいシ、おのおのその本分ほんぶんつくシ、もっちん期望きぼうスルところフヘシ。

【字句謹解】◯開化ノ域 文化の進歩する境地きょうちいきは場所・方面の意 ◯幷馳 肩をならべる ◯副フ したがふ。

〔注意〕この勅諭ちょくゆは明治初年に流行した文明開化といふ言葉の持つ精神せいしん具體的ぐたいてきに生かされたものと考へる。ただしこれは東京在住の華族かぞくたまわつたもので、翌明治五年六月一日には京都方面の華族され、同樣どうような趣意の勅諭ちょくゆを下された。それは『御西巡ごせいじゅんノ時、京都府華族ニ賜ハリシ勅諭』として知られてゐる。

【大意謹述】華族かぞくに籍を置く人々が、心から以上の諸點しょてんに注意し、愼重しんちょうな態度で始終しじゅうちんこころざしを共にしたならば、我國が進歩した文化を有する國となり、富國强兵ふこくきょうへいの基礎がそれにつづいて出來、世界各國とすべての方面に歩調を合せて進むことも、決して困難ではなからう。汝等なんじら華族は以上の意味を十分理解して實行じっこうし、臣民しんみんとして、華族としての本分ほんぶんつくし、朕が望む方面に協力して欲しい。