8-5 陋習を禁ずるの詔 孝德天皇(第三十六代)

陋習ろうしゅうきんずるのみことのり(第五段)(大化二年三月 日本書紀

(營墓の詔)

大仁小仁之墓者、其內長九尺、高濶各四尺。不封使平、役一百人、一日使訖。大禮以下小智以上之墓者、皆准大仁、役五十人、一日使訖。

【謹譯】大仁たいにん小仁しょうにんはかは、うちながさ九しゃくたかさ、ひろおのおのしゃくつちつかずしてたいらかならしめ、やく一百にん、一にちおわらしめよ。大禮たいらい以下い か小智しょうち以上いじょうはかは、みな大仁たいにんなぞらへよ。やく五十にん、一にちおわらしめよ。

【字句謹解】◯大仁 小德しょうとく次位じ いする位、〔註一〕參照 ◯封かずして 土を盛ることなくの意 ◯大禮以下小智以上 大禮たいらい小智しょうちとの間にある人々。すなわ小禮しょうらい大信たいしん小信しょうしん大義たいぎ小義しょうぎ大智たいち等のこと。

〔註一〕大仁 この部分は所謂いわゆる冠位かんい十二かいの人々の墓地の規定に言及してゐるので、これは推古すいこ天皇十一年十二月に決定された。十二階とは大德たいとく小德しょうとく大仁たいにん小仁しょうにん大禮たいらい小禮しょうらい大信たいしん小信しょうしん大義たいぎ小義しょうぎ大智たいち小智しょうちのこと

【大意謹述】次に大仁たいにん小仁しょうにんの墓は、內部の長さは九尺、高さと幅とは共に四しゃくとする。これは土を盛り上げずにたいらにし、百人の課役かやく人夫にんぷで一日に仕上げさせる。大禮たいらい以下小智しょうち以上の者の墓は內外共に大仁たいにんの規模にしたがはせるが、五十人の課役かやく人夫にんぷで一日に仕上げさせることにする。