読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

69 田租を免ずるの勅 平城天皇(第五十一代)

大日本詔勅謹解1 思想社會篇

田租でんそめんずるのみことのり(大同元年十一月 類聚國史)

筑前肥前者宜免二箇年。筑後肥後豐前豐後日向大隅薩摩壹岐等者。並免一箇年。

伊賀紀伊淡路等三國。頻年不稔。民弊殊甚。宜始自今年。六箇年田租。免四收六。

【謹譯】筑前ちくぜん肥前ひぜんは、よろしく二ねんめんずべし。筑後ちくご肥後ひ ご豐前ぶぜん豐後ぶんご日向ひゅうが大隅おおすみ薩摩さつま壹岐い きとうならびに一ねんめんぜよ。

伊賀い が紀伊き い淡路あわじとうの三ごくは、頻年ひんねんみのらず、たみおとろふることはなはだしと。よろしく今年こんねんよりはじめて、六ねん田租でんそは、四をめんじ、六をおさむべし。

【字句謹解】◯並に おしなべて、みな一律にの意 ◯頻年 近年しきりに、る年も來る年も ◯稔らず 榖物の成熟しないこと ◯民弊 民の疲弊ひへい、民のおとろへつかれたるをいふ。

【大意謹述】九州地方凶作のために民が困つて居るといふことであるから、筑前肥前とは、二箇年の田租でんそを免除し、筑後・肥後・豐前・豐後・日向・大隅・薩摩・壹岐等は、みな一律に、一箇年分を免除するやうにせよ。

 また伊賀・紀伊・淡路の三國も、近年榖物がみのらず、民は極度に疲弊ひへいして居るといふことであるから、今年から始めて向う六箇年間、田租でんそは六を納めさせ、四を免除するやうにせよ。