49 田租を免ずるの勅 淳仁天皇(第四十七代)

田租でんそめんずるのみことのり天平寶字三年十一月 續日本紀

如聞。去十月中大風。百姓盧舍。並被破壞。是以。爲修其舍。免今年田租。

【謹譯】くならく、る十月中がつちゅう大風たいふうあり、百姓ひゃくせい盧舍ろしゃならび破壞はかいこうむると。ここもって、しゃおさむるために、今年こんねん田租でんそめんずべし。

【字句謹解】◯百姓 もろもろのくにたみ、一般人民をいふ ◯盧舎 いほり、家屋 ◯並に おしなべての意 ◯破壞 こはれる ◯修むる 修理する、修繕する。つくらふ、なほす ◯田租 田畝でんぽ賦課ぶ かする租稅そぜい、ねんぐ。調ちょうようたいすることばにして、大寶令たいほうりょうによるについては、第十九の〔註二〕口分田くぶんでんの項および第二十の〔註二〕調ちょうの項を參照せよ。

【大意謹述】聞くところによると、去る十月中おほかぜがあり、民の家屋はおしなべて破損をこうむつたといふことである。それで家屋の修繕や、損害の復舊ふっきゅうのために、今年ことし田租でんそは免除するやうにせよ。