大日本詔勅謹解1 思想社會篇

101 朝見御儀勅語 今上天皇(第百二十四代)

朝見ちょうけん御儀おんぎ勅語ちょくご(昭和元年十二月二十八日 官報) 朕ちん皇祖こうそ皇宗こうそうノ威靈いれいニ賴よリ、萬世ばんせい一系けいノ皇位こういヲ繼承けいしょうシ、帝國ていこく統治とうちノ大權たいけんヲ總攬そうらんシ、以もっテ踐祚せ…

100 國民精神作興ノ詔書 大正天皇(第百二十三代)

國民こくみん精神せいしん作興さっこうノ詔書しょうしょ(大正十二年十一月十日 聖鑒) 朕ちん惟おもフニ國家こっか興隆こうりゅうノ本もとハ、國民こくみん精神せいしんノ剛健ごうけんニ在あリ。之これヲ涵養かんようシ、之これヲ振作しんさくシテ以もっテ…

99 勤儉ノ勅語 明治天皇(第百二十二代)

勤儉きんけんノ勅語ちょくご(明治十二年三月 岩倉公實記) 朕ちん幼冲ようちゅうニシテ國くにノ艱難かんなんニ際さいシ、祖宗そそうノ威靈いれいト諸臣しょしんノ力ちからニ賴よリ、中興ちゅうこうノ大業たいぎょうヲ成なスコトヲ得えタリ。惟おもんミルニ…

98 減租ノ勅語 明治天皇(第百二十二代)

減租げんそノ勅語ちょくご(明治十年一月四日 三條實美公年譜) 朕ちん惟おもフニ、維新いしん日ひ淺あさク、中外ちゅうがい多事た じ、國用こくよう實じつニ貲はかラレス。而しかシテ兆民ちょうみん猶なホ疾苦しっくノ中うちニ在あリテ、未いまタ富庶ふしょ…

97 地方官會議ヲ開クノ勅語 明治天皇(第百二十二代)

地方官ちほうかん會議かいぎヲ開ひらクノ勅語ちょくご(明治八年五月二十日 岩倉公實記) 茲ここニ地方官ちほうかん會議かいぎノ始はじメ、朕ちん親みずかラ臨のぞみテ、汝なんじ各官かくかんニ詔つク。朕ちん經國けいこく治民ちみんノ易やすカラサルヲ思お…

96 用ヲ節シテ救助充ツルノ勅語 明治天皇(第百二十二代)

用ようヲ節せっシテ救助きゅうじょニ充あツルノ勅語ちょくご(明治二年八月二十五日 太政官日誌) 朕ちん、登祚とうそ以降いこう、海內かいだい多難たなん、億兆おくちょう未いまタ綏寧すいねいセス。加之しかのみならず、今歳こんさい淫雨いんう農のうヲ害…

95 可否ヲ獻替セシムルノ勅語 明治天皇(第百二十二代)

可否か ひヲ獻替けんたいセシムルノ勅語ちょくご(明治二年四月二十日 太政官日誌) 朕ちん、嚮さきニ汝なんじ百官かん群臣ぐんしんト五事じヲ掲かかケ、天地てんち神明しんめいニ質ただシ、綱紀こうきヲ皇張こうちょうシ、億兆おくちょうヲ綏安すいあんスル…

94 直諫ヲ求ムルノ勅語 明治天皇(第百二十二代)

直諫ちょっかんヲ求もとムルノ勅語ちょくご(明治元年十月十七日 法令全書) 皇國一體。東西同視。朕今幸東京。親聽內外之政。汝百官有司。同心戮力。以翼鴻業。凡事之得失可否。宜正議直諫。啓沃朕心。 【謹譯】皇國こうこく一體たい、東西とうざい同視どう…

93 奥羽ニ下シ給ヘル勅語 明治天皇(第百二十二代)

奥羽おううニ下くだシ給たまヘル勅語ちょくご(明治元年八月七日 太政官日誌) 朝綱ちょうこう一タヒ弛ゆるミシヨリ、政權せいけん久ひさシク武門ぶもんニ委いス。今いまヤ朕ちん祖宗そそうノ威靈いれいニ賴よリ、新あらたニ皇統こうとうヲ紹つキ、太政たい…

92 救荒ノ勅語 明治天皇(第百二十二代)

救荒きゅうこうノ勅語ちょくご(明治元年六月二十二日 岩倉公實記) 曩者さきに德川とくがわ慶喜よしのぶ、兵へいヲ擧あケテ闕けつヲ犯おかサントスルヤ、伏見ふしみ・淀よど等とうノ民家みんかヲ焚燒ふんしょうシ、朕ちんカ赤子せきしヲ蹂躙じゅうりんス。…

91 國威宣布の宸翰 明治天皇(第百二十二代)

國威こくい宣布せんぷの宸翰しんかん(明治元年三月十四日 太政官日誌) 朕ちん幼弱ようじゃくを以もって、猝にわかに大統だいとうを紹つき、爾來じらい何なにを以もって萬國ばんこくに對立たいりつし、列祖れっそに事つかへ奉たてまつらんやと、朝夕ちょう…

90 五箇條ノ誓文 明治天皇(第百二十二代)

五箇條かじょうノ誓文せいもん(明治元年三月十四日 太政官日誌) 一廣ひろク會議かいぎヲ起おこシ萬機ばんき公論こうろんニ決けっスヘシ。 一上下しょうか心こころヲ一ニシ盛さかんニ經綸けいりんヲ行おこなフヘシ。 一官武かんぶ一途と庶民しょみんニ至い…

89 改元の詔 孝明天皇(第百二十一代)

改元かいげんの詔みことのり(安政元年十一月 孝明天皇紀) 蓋聞。皇猷得宜。而寰宇又安。則天地表祥瑞之應。庶政不明。而民心疾苦。則陰陽示灾眚之變。嗚呼可不愼哉。朕叨以眇眇之躬。恭託元元之上。自纘鴻業。八閱寒暑。夙夜祇畏。匪遑底寧。然誠不感物。…

88 直言を求むるの詔 後嵯峨天皇(第八十八代)

直言ちょくげんを求もとむるの詔みことのり(寬元三年四月 平戸記) 朕聞。人欲自照。必須明鏡。主欲知過。必藉忠信。雖堯舜禹湯文武之君。諮稷契皐陶伊呂之臣。其君隨諫而聖也。其臣無謟而直也。社稷因竝安全。寰海因茲靜謐。朕以眇身。謬備元首。親萬機之…

87 服御常膳を減じ並に恩赦賑給を行ふの詔 村上天皇(第六十二代)

服御ふくぎょ常膳じょうぜんを減げんじ並ならびに恩赦おんしゃ賑給しんきゅうを行おこなふの詔みことのり(天曆十年七月 本朝文粹) 儉者德之本也。明王能致。惠者仁之源也。聖朕以寡薄。誤守洪基。居黄屋而不驕。役丹符而自約。而化非春風。澤殊時雨。愼日…

86 服御を減じ年料を省くの勅 宇多天皇(第五十九代)

服御ふくぎょを減げんじ年料ねんりょうを省はぶくの勅みことのり(寬平八年十月 本朝文粹) 朕去仁和五年二月二十日。服御常膳。務從省約。所司准舊。四分減一服。心不兼心。慮無再慮。願擧塵露之積。將成禮節之和。豈圖水旱兵疫年頻有災。諸國自闕調庸。百…

85 服御を省減するの勅 光孝天皇(第五十八代)

服御ふくぎょを省減せいげんするの勅みことのり(仁和元年四月 三代實錄) 朕以眇身。猥承鴻緒。膺登用之業。有若馭奔。受光啓之符。无忘履薄。朕綜覈前王。捜羅曩制。唯思宵衣是遵。旰食是勉。躬行慈儉。人臻富庶。而運承澆季。風頽俗弊。帑藏虛耗。經用殷…

84 禁野に樵蘇するを聽すの勅 陽成天皇(第五十七代)

禁野きんやに樵蘇しょうそするを聽ゆるすの勅みことのり(元慶七年十二月 三代實錄) 禁野之興。非妨民業。至于草木。素不拘制。嘉祥三年四月二十六日。今年正月二十一日頒告訖。而預人等。假託威勢。矯峻法禁。或駈略牛馬。忽無放牧之便。或奪取鎌斧。遂失…

83 雨害存恤の勅 淸和天皇(第五十六代)

雨害うがい存恤そんじゅつの勅みことのり(貞觀十一年十月 三代實錄) 妖不自作。其來有由。靈譴不虗。必應粃政。如聞。肥後國迅雨成暴。坎德爲灾。田園以之淹傷。里落由其蕩盡。夫一物失所。思切納隍。千里分憂。寄皈牧宰。疑是皇猷猶鬱。吏化乖宜。方失毗…

82 服御常膳を減じ慈雨を祈るの詔 淸和天皇(第五十六代)

服御ふくぎょ常膳じょうぜんを減げんじ慈雨じ うを祈いのるの詔みことのり(貞觀十一年六月 三代實錄) 朕聞。上天不能獨理。故立君以司牧。君道無忒。則玉燭均調。時政失宜。則陰陽乖隔。遠稽帝典。遙計皇猷。重規疊矩。未有違之者。朕以菲虛。嗣守鴻業。德…

81 疫病の流行を憂念するの詔 文德天皇(第五十五代)

疫病えきびょうの流行りゅうこうを憂念ゆうねんするの詔みことのり(仁壽三年四月 文德實錄) 皇王建極布政。貴其順時。聖哲凝規宣風。欲其應節。故能裁成庶物。覆燾之德克隆。光宅八埏。全濟之功斯遠。朕以寡德。忝統鴻基。旰日勿休。乙夜忘寢。非貧四海之…

80 勸農の詔 文德天皇(第五十五代)

勸農かんのうの詔みことのり(仁壽二年八月 類聚三代格) 洪範八政。食居第一。食貨志又云。國無粟而可活者。自古未之聞。然則王政之要。生民之本。唯在務農。頃年諸國所告。不堪佃。其數居多。是由國郡官司。不勤地利。不重民命之所致矣。甚非所以選擇良吏…

79 水害賑恤の詔 文德天皇(第五十五代)

水害すいがい賑恤しんじゅつの詔みことのり(仁壽元年八月 文德實錄) 朕聞。佐下民者天也。相上帝者君也。君道得則天錫純嘏。民心苦則國式挺灾。朕以寡昧。嗣守鴻基。憂負重而春氷。顧馭朽以秋駕。只願返淳源於旣遠。舒景煦於方今。家詠京坻之豐。人誇鍾皷…

78 山野の禁に關する詔 文德天皇(第五十五代)

山野さんやの禁きんに關かんする詔みことのり(嘉祥三年四月 文德實錄) 山野之禁。本爲鶉雉。至於草木。非有所制。如聞。所由不熟事意。矯峻法禁。奪人斧斤。捕人牛馬。絕其往還之跡。妨其樵蘇之業。爲人之患。莫此之甚。宜早下知。莫令更然。又聞。豪貴之…

77 農耕を勸むるの勅 仁明天皇(第五十四代)

農耕のうこうを勸すすむるの勅みことのり(承和七年二月 續日本後紀) 國家隆泰。要在富民。倉廩充實。良由有年。故耕耘時。必致京坻之蕃。稼穡候違。招飢饉之憂。農之爲道。豈不勗歟。去年炎旱作灾。嘉榖彫萎。百姓阻飢。國用闕乏。雖灾異之臻。則是天道。…

76 糴糶を行ふの詔 仁明天皇(第五十四代)

糴糶てきとうを行おこなふの詔みことのり(大長十年十二月 續日本後紀) 如聞。諸國糴糶。有利於民。无損於公。自今以後。不立年限。永俾行之。 【謹譯】聞きくならく、諸國しょこくに糴糶てきとうあり。民たみに利りありて、公おおやけに損そん无なしと。今…

75 飢疫賑給の詔 仁明天皇(第五十四代)

飢疫きえき賑給しんきゅうの詔みことのり(天長十年五月 續日本後紀) 夫一榖不贍。百姓不嗛。必遵救乏之典。兼明勸穡之義。是則救瘼恤隱。固本厚生。雖沿革有時。而斯塗莫爽者也。朕虔膺明命。撫字黔黎。思脩和平之猷。以登仁壽之域。如聞。諸國去年榖稼頗…

74 稻榖を返給するの勅 仁明天皇(第五十四代)

稻榖とうこくを返給へんきゅうするの勅みことのり(天長十年五月 續日本後紀) 夫富豪所貯。是貧窶之資也。如聞。先來所行。吏非其人。只事借用。无意返給。所以貧富倶弊。周急憐絕。宜至秋收。特遣使者。悉令返給。 【謹譯】夫それ富豪ふごうの貯たくわふる…

73 貧民優恤の詔 仁明天皇(第五十四代)

貧民ひんみん優恤ゆうじゅつの詔みことのり(天長十年四月 續日本後紀) 鷄觀之上。日照先被。龍輅所過。恩典便降。嵯峨院者。先太上天皇光臨之地。第宮聳構。分東西之名區。芝蓋駐蔭。追汾陽之高賞。宣遊斯在。引年其深。然則當邑之甿。須霑慶幸。近壤之戸…

72 禮服著用を停むるの詔 淳和天皇(第五十三代)

禮服れいふく著用ちゃくようを停とどむるの詔みことのり(弘仁十四年十二月 類聚國史) 古之王者。受命膺籙。文質相變。損益不同。興風致治。垂範彝訓。通之古今。其揆一也。頃者陰陽錯謬。旱疫更侵。年榖不登。黎甿殘耗。朕運鍾寶曆。嗣奉洪基。永思善政。…